IG Photo Gallery |藤岡亜弥展「台湾時間旅行」  


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2024/2/13~3/2
IG Photo Gallery企画展

藤岡亜弥展「台湾時間旅行」

 IG Photo Galleryでは2024年2月13日(火)より藤岡亜弥展「台湾時間旅行」を開催いたします。
 藤岡亜弥は2017年に発表した「川はゆく」(写真集は赤々舎・刊)により第41回伊奈信男賞受賞、第27回林忠彦賞、第43回木村伊兵衛写真賞の三賞を受賞した写真作家です。直感的に撮影した写真を編むことで旅や出会い、都市、歴史、女性などの多彩なテーマを浮かび上がらせる作品が高く評価されています。
 藤岡は2019年の春、台湾の地方都市、花蓮で1カ月間の滞在制作を行い、その成果を「時間旅行Time Traveler」展(好地下藝術空間、花蓮)として発表しました。今回の「台湾時間旅行」はその作品を日本で初めて発表する機会となります。
 藤岡は1996年に約1年半ほど、台湾に住み、台湾師範大学語学中心に留学していました。当時二十代前半だった藤岡にとって「台湾は第二の故郷」というほど思い入れのある場所です。
 「時間旅行Time Traveler」展の内容は、2019年の滞在で撮影した写真だけでなく、1996年に台湾で撮影された写真とともに構成したものでした。20年以上年前の台湾と、現在の台湾の写真とを混在させ、キャプションなしで展示したのです。展覧会を訪れた台湾の人々は、意外なほど現在と過去の写真との区別がつかなかったと言います。
 台湾に20年以上前から変わらない人の営みがあるからか、それとも藤岡の目が変わらないものを見ようとしているからでしょうか。
 藤岡は2019年の台湾での撮影中に、つねに過去の記憶を重ねてファインダー越しの風景を見ていたと言います。藤岡にとって、この時の撮影行為は、記憶の中の台湾を呼び起こし、現在の台湾に重ね合わせる二重写しのような体験だったのかもしれません。
 台湾での展示は、台湾在住の人々が、自身の記憶を呼び起こしながら藤岡の写真を見ていたことでしょう。しかしその記憶を持たない外国に住む人々(つまり、この日本にいる多くの人々)にとって、その写真はどのように見えるでしょうか。また、90年代の台湾と現代の台湾を知る人にとっては、日本でこの展示を見ること自体が、藤岡の目によって時間旅行に誘われる体験になることでしょう。
 台湾は日本の隣国であり、歴史的にも深い繋がりがあります。台湾について私たちが抱いているイメージもまた、写真を見るうえで無意識に参照されるに違いありません。写真による時間旅行は、鑑賞者一人ひとりに時間と場所について考えるきっかけになるでしょう。
 なお、展示開催にあたって、トークセッション(オンライン配信)を予定しています。展示と合わせてぜひご試聴ください。

タカザワケンジ(写真評論家・IG Photo Galleryディレクター)

** 安心してご覧いただくため、空気清浄機、手指の消毒薬の設置などの感染対策を行います。

■作家プロフィール
藤岡亜弥 Fujioka Aya
広島県呉市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。台湾師範大学語学中心留学。文化庁新進芸術家海外派遣制度奨学生としてニューヨークに5年間滞在。2004年、ビジュアルアーツフォトアワードを受賞し、写真集『さよならを教えて』(ビジュアルアーツ)を刊行。2010年、「私は眠らない」で日本写真協会新人賞を受賞。「川はゆく」で伊奈信男賞(2017)、林忠彦賞(2018)、木村伊兵衛写真賞(2018)をそれぞれ受賞。2023年、第39回写真の町東川賞新人作家賞受賞。主な写真集に『私は眠らない』(赤々舎、2009)、『川はゆく』(赤々舎、2017)、『アヤ子江古田気分/ my life as a dog』(私家版、2021)がある。サンフランシスコ近代美術館、東広島市美術館、金沢21世紀美術館に作品が収蔵されている。現在は広島を拠点に作家活動を行っている。
WEBサイト:https://ayafujioka.net/

■会期
2024年2月13日(火)~3月2日(土)
時間:11:00~18:30
休廊:日曜日・月曜日・祝日

■トークセッション(オンライン配信)
2/17(土)18:00より配信予定
藤岡亜弥×タカザワケンジ(写真評論家・IG Photo Galleryディレクター)
You Tubeにて、配信します。
チャンネル名:IG Photo Gallery

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